溺愛カンケイ!
「あの…課長、何でしょうか?」
「この書類を作成するのに必要な資料を探すのを一緒に手伝ってくれないか」
何だ、そういう事か。
ミスとかしてなくてよかった。胸を撫で下ろしつつ
「はい、分かりました」
ん…一緒に手伝う?
いつもなら探してきてって言うのにおかしいなと一瞬、違和感を覚えたけど。
ま、いっか。
拓也さんはスタスタと営業フロアから出て行き私も後を追いかけるようについて行った。
――…ガチャ、
「ホラ、入って」
背中を押されるように資料室に入ると
ガチャリ、と鍵を閉める音が。
もしや、このパターンはあの時と同じ…?
拓也さんに腕を掴まれ部屋の奥の方に連れて行かれ、トンと軽く押され背中にヒンヤリとした壁が当たる。
恐る恐る目の前の拓也さんを見ると、無表情で私を見下ろしていた。