溺愛カンケイ!

まさかの無表情に、自分が気付かないうちに何かやらかしたのだろうかと考えを巡らせる。

が、何も思い浮かばない。

ビビりな私は拓也さんを見る事が出来ず、視線を泳がせてると


「花音、何で今日はこんな髪型をしてるんだ?」

拓也さんはそう言うと右手の人差し指で首筋をツーッと撫でてきて

「ひゃっ、」

思わぬ刺激に私の身体はビクンと反応してしまう。
口から変な声も出たし。


「あっ…これは、き、気合いを入れようと…」

撫でる手を止めてくれなくて擽ったさに身体を捩る。


「何の気合いだ?」

「田中主任と普通に顔を合わせる為の、気合いです…」

「なんだそれは…」


少し呆れたように言うと身体を屈めて私の耳元で


「そそるような髪型をして会社に来るな。ここで襲うぞ」


ドキッ…、
そそる?襲う…?

言われた言葉に軽くパニックになっていると拓也さんは耳朶を甘噛みしたあと首筋に顔を埋め舌を這わせてきた。

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