溺愛カンケイ!
資料室の外では女子社員の
『おかしいな?』
『誰かいるんですか~?』
『ねぇ、鍵を借りてこようか』
『うん、そうしよう』
といった会話が聞こえてくる。
入り口まで行き、ドアノブに手をかけていた拓也さんはチラリと後ろを振り返り、私の姿を確認すると
「開けるぞ」
――…ガチャ、
鍵を開けて拓也さんは外に出た。
「あ~、河野課長が鍵を閉めてたんですか?」
女子社員二人は目をキラキラさせながら話しかけてる。
拓也さんは私の方に目線を向け
「いや、うちの小林が間違えて閉めたみたいだ。悪かったな」
はっ…私っ?
思わぬ言葉に目を見開いた。
「あー、あの子ですかぁ。何かボケッとしてて抜けてそうですもんね」
「ホント、あの子ならやりそう」
クスクスとバカにしたように笑う。
私がボケッとして抜けてる?この人たち。失礼だよ。
心の中で思いきり舌打ちした。