溺愛カンケイ!
「あ?誰だよあんた」
坂口は苛立った様子で手を払われた相手を睨み付ける。
「あ、河野さん…」
綾は唖然とし斜め前を見つめ呟く。
河野さんて…。
いや、声からしてそうかなとは思ったけど。
まさかと思いながら顔を上げ、声のした方を見ると
そこにはいるはずのない拓也さんがいた。
嘘っ、何でここに拓也さんがいるの。
えっ…?頭が追いつかない。
「俺か、小林花音の彼氏だが…お前こそ誰だ」
拓也さんの威圧する態度に坂口は若干怯んだ様子で
「いや、俺は小林たちの高校の時の同級生で久々に会って懐かしいなと思って声を掛けただけだし…」
オドオドしながら口ごもる。
拓也さんは眉をピクリと動かし高校の同級生?と呟き坂口を見据えた。