溺愛カンケイ!
「もう大丈夫だ。俺が側にいるから…」
背中をさすりながら大丈夫だと耳元で何度も囁いてくれる。
私はその声の心地よさに目を瞑り拓也さんの身体に身を預けていた。
それからどのくらい時間がたったのだろう…。
「あの…花音チャンに河野さん、そろそろいいかしら?」
へっ…?
まったりとした雰囲気の中、声をかけられ心臓がドキンと跳ねた。
拓也さんの胸から顔を上げると、花山主任と原田部長が苦笑いしている姿が…。
「はっ、はは花山主任に原田部長…ど、どうして?」
ここにいるの?
完全に動揺しまくってる。
「いやー、まさかこんなところで拓也と花音ちゃんのラブシーンを見るとは思わなかったな」
原田部長がニヤニヤ笑う。ラ、ラブシーン?
あぁーーーっ!さっきのだ。
人目も気にしないで拓也さんに抱きついたから…。
今さらながらに顔から火が出そう。
火照る顔を隠すように俯き両手でパタパタと顔を扇ぐ。