溺愛カンケイ!
「えー部長、そりゃないでしょう」
不満タラタラで口を尖らす田中主任。
当然よね、と花山主任はバッサリ言い放つ。
さすが夫婦だな。
「佐藤は歩きだから無理だし」
部長は独り言のように呟き
「と、いう事で拓也、オマエしかいないんだよ。頼んだよ」
原田部長が河野課長に向かってニッコリ笑った。
「チッ、何で俺が…」
えっ、舌打ち?
河野課長って何か怖いよ。それより早く断って帰らなきゃ。
「あの、ホントにいいですから。ごちそう様でした。明日からよろしくお願いします。それでは失礼しますっ」
ペコッと頭を下げ向きを変えて逃げるように走り出した。