溺愛カンケイ!
そんな事より早く頼まれた資料のファイルを探さないと。
気にしないフリをしてまたファイルと睨めっこを始める。
田中主任は資料の棚にもたれ話し掛けてきた。
「ねぇ、花音ちゃん。今度二人でご飯食べに行かない?」
「えっ?」
驚いて振り向いた瞬間、バランスを崩して脚立から足を踏み外した。
「キャッ」
「あっ、花音ちゃん!」
田中主任の私を呼ぶ声が聞こえた。
ヤバイ、落ちるっ…。
身体にかかる衝撃を覚悟しながら目を瞑った。
――…ドンッ!
あれ?痛くない…何で?
ゆっくり目を開けると私の身体はスパイシーな香りを纏った田中主任の腕の中だった。