溺愛カンケイ!
~浩介side~
出先から戻り営業フロアへと足を進める。
相変わらず女の子から毎日のように誘われる。
何故か今はあまり乗り気がしない。
その理由は――…
営業に異動してきた花音ちゃんが気になっている。
最初は俺の周りにはいないタイプで珍しいな、という気持ちだけだったのに。
そんなことを考えていると資料室に入って行く花音ちゃんを見掛けた。
気が付いたら彼女を追いかけ資料室に入っていた。
話をしているうちに食事に行こうだなんて誘って…俺は今まで自分から女の子を誘った事はなかった。
まさか自分の口からそんな言葉が出てくるなんて正直驚いた。
彼女が脚立から足を踏み外した時、考えるより先に身体が動いていた。
彼女が俺の腕の中にいる時に今まで感じた事のない想いが溢れてきた。
華奢な体に、香水とは違う彼女自身の甘い香り。いつも俺を誘う女の子達のキツイ香水の匂いではなく何故がホッとする様な香り…。
気が付くと彼女をキツく抱きしめていた。