溺愛カンケイ!
二人だけのヒミツ

だいぶ河野課長のサポートにも慣れた頃。

「小林、この書類をコピーして纏めておいて。それが出来たら一緒にクライアントの所に行って打ち合わせするから、そのつもりで」


突然呼び止められ書類を渡された。


「あっ、はい」


一緒にって私も行くの?

営業事務ってデスクワークだけじゃないの、と疑問を持ちながらも纏めた書類をファイルに挟み鞄に入れた。


「河野課長、出来ました」


「よし、じゃあ行くぞ」


課長は鞄を掴み名前のプレートを裏返し颯爽と営業フロアを出て行き、私は慌ててその後を追った。



エレベーターに乗り、会社を出て駐車場に向かい人生二回目の課長の車に乗り打ち合わせに向かった。


当然のように車内は静かで、私は窓の外の景色を見ていた。
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