溺愛カンケイ!
会社に戻るとさっそく数人の女子社員が課長に群がってきた。
「お疲れ様ですぅ、河野課長。今日、一緒に飲みに行きませんか?」
すごい香水の匂いで鼻がおかしくなりそう。しかもバッチリメイクに猫なで声だ。
「いや、予定があるから」
「え~またですかぁ。今度は一緒に行きましょうね」
「………」
課長、そこはスルーなんですね。
「小林、行くぞ」
「あっ、はい」
課長の後を追う。
「えぇ~何なのあの子」
「課長と一緒に歩くなんてありえな~い、ブスのくせに」
背後からの女子社員の声。
全部聞こえてるんですけど…。
前に近藤さんが言ってたのはこの事だったのかな。
この時の私は女子社員のホントの恐ろしさを知る事になるなんて全く予想もしてなかった――…。