溺愛カンケイ!
過去と現在、そして… ~拓也side~
最近、何かおかしい。
七月に総務から営業に異動してきた小林花音の事が気になって気付いたら目で追っている自分がいる。
ここ何年も一人の女に心を動かされる事はなかったのに。
俺にも昔は真剣に付き合っていた女がいた。
付き合って二年ぐらい経った頃、仕事にやりがいを覚えた俺はどんどん仕事にのめり込む様になり、彼女の恵も仕事が忙しくなりすれ違い始めていった。
お互いに仕事が忙しいのを理由に会えない事が多くなり、そんな関係に我慢が出来なくなったのは恵の方だった。
今更だが俺も恵の事は大切に想ってたし会えなくても信じていた。
あの日までは――…。