溺愛カンケイ!
「ハァ、見られてたのね」
一瞬、恵は目を見開き驚いた表情を見せたが、溜息をつき開き直りタバコに火をつけた。
「どういう事だ?」
自然と眉間にシワが寄る。
「拓也の見た通りよ。会社の先輩と会ってたの。彼、とても優しくていつも私の事を支えてくれてるの。以前からアプローチされてたけど最近になって結婚を前提に付き合って欲しいって言われたの。嬉しかったわ」
ふぅ、とタバコの煙を吐く。
結婚を前提だと?恵は更に言葉を続けた。
「彼は私を必要としてくれて愛してくれる。拓也は仕事仕事で私と会えなくても平気みたいだし…私はずっと寂しかった。放ったらかしにされたみたいで。それが耐えれなくなったの。だから彼と付き合う事にしたの」
「……………」
俺は何も言えなかった。