溺愛カンケイ!

「ごめんなさいね、二股みたいな形になったけど私は拓也より彼の方が大切なの。拓也は仕事も出来るし顔もいいけど人の気持ちに無関心で鈍感なのよね。だから一緒にいてもつまらなかった。ハッキリ言って拓也は本気で人を愛せないのよ」


「…………」

恵の言葉がズシリと胸に響く。


「そういう事で別れましょうか、私達。だってこんなの付き合ってる意味がないでしょ。それに拓也にも責任がないとは言えないんだから悪く思わないでね」


灰皿にタバコを擦り付けた。


「さよなら、拓也。仕事頑張ってね」


恵は置いてあった伝票を持ち去って行った。


身体が動かなかった、いや動けなかった…。
俺はいったい今まで何をやっていたんだ?
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