溺愛カンケイ!
ハァ、ハァ…。
ったく、アイツはどこにいるんだよ。
バスケやってただけあって足、速かったんだな。
なんで30歳にもなってこんなに走らなきゃならないんだよ、クソッ。
明日は絶対に筋肉痛だな。
悪態をつきながらもキョロキョロ周りを見ながら走っていると見覚えのある後ろ姿を見付けた。
あそこに信号待ちしてるのは小林か?
やっと見つけた!
「オイッ」
叫んで腕を掴むと驚いた表情で俺を見た。
見付かって本当によかったとホッと一息ついた。
車に乗るまでゴチャゴチャ言っていたが、やっとおとなしく車に乗ってくれた。
その車内で何か話した方がいいのかと戸惑い、ずっと考えていたら隣から視線を感じ
「何?」
声を掛けると小林はアタフタしながらまた謝っていた。
もっと気の利いた事でも言ってやればよかったかなと、そのとき少し後悔した。