溺愛カンケイ!
ある夏の日の土曜日
まだ蝉がうるさく鳴く八月最後の土曜日、高校時代の親友と出掛ける約束をしていた。
駅前の変な銅像の前で待っていると
「お待たせ、花音」
呑気に歩いてくる親友。
「やっほ、綾。そんなに待ってないよ。んじゃ行こっか」
久々に会うからテンションも上がる。
ランチをした後、街をブラブラ歩いていると
「花音ちゃ~ん!」
どこからともなく誰かが私を呼んだ気がした。
人違いかなと思いつつもキョロキョロ周りを見ると
「こっちだよ~」
声のする方を向くと手を振りながら笑顔で歩いてくる田中主任と…河野課長がいた!
「やっぱり花音ちゃんだ。服も髪型も仕事の時と全然違うから間違えたかと思ったよ」
ねぇ課長、と同意を求める田中主任。
服装…?
言われて視線を下に向け自分の服装を見てみた。