溺愛カンケイ!
「オイ、田中。そろそろ会社に戻るぞ」
河野課長が腕時計を見たあと田中主任に声を掛けた。
「え~、まだ綾ちゃんと話の途中だったのに…」
「うるさい。早く来い、田中。じゃあな、小林」
ピシャリと田中主任の言葉を遮った。
「花音ちゃん、綾ちゃんまたね~。課長待って下さいよ」
課長はすでに歩き出し後を追うように田中主任も駆け出した。
あ~あ、行っちゃった…。
でも課長に会えて嬉しかった。偶然って素晴らしい!
「ねぇ、花音。あの二人すごいイケメンだったね」
綾が興奮しながら言う。
「うん。会社でイケメン御三家って言われてるうちの二人。最初は存在すら知らなかったんだけどね。ホントにスゴい人気があるんだよ。いつも女性社員が騒いでるの」
私も少し興奮気味に話す。