七夕の星に
二人が現れたあの日の翌年。
その日の朝のテレビで、お天気お姉さんは言った。
『今日は一日中土砂降りの雨でしょう。出掛けるときは、傘を忘れないようにした方が良さそうです』
その言葉は、彼女、七実の耳に無情に響いた。
「…一日中…雨?」
一層激しさを増した雨は、呟いた七実の言葉に、まるで「そうだよ」とでも言うかのようだった。
そしてその隣の一軒家に住んでいる夕奈は、先月から「今年の七夕、晴れたら夜中に見に行こう‼」と何度も言っていた親友を心配していた。
雨ということは、いない可能性が高いからだ。
あれから一年、七実と夕奈はなにも考えず、なにも話さず、この日を待っていたわけじゃない。
たまにこの日のことを話していたら、一つ気付いたことがあった。