君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
―――――


空斗は、なんだか私に似ている気がして。


私のコト、全部わかってくれてる気がして。


だから、はじめは心の頼りにしているだけだった。


でも、病室に1人でいると、


ずーっと空斗のコトを考えてしまっているあたしがいる。


心の中にある、このモヤモヤはなんだろう。


あたしは人をほとんど接した事がないので、


この気持ちの正体がわからなかった。




「はーい、琴音ちゃん。点滴するよ~!」


こんなあたしに笑顔で対応してくれる、


看護師さんもどうせ裏ではあたしの悪口ばかり考えているのだろう。


そんな事を考えてしまう自分が嫌いで仕方なかった。
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