君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「…なんで?空斗?生きてることが奇跡?何…それ。」





あたしはベットの上でうずくまる。





「“俺の病気そんなに重くねーよ”って言ってたじゃん。病名も“長すぎてわかんない”って言って…。たったの5文字じゃん。」





もう、分かんないよ…。






あたし、どうしたらいいの?






そんなことが頭をぐるぐると回る。






でも、うすうす分かってた。






あたしも、いつ死んでもおかしくない体。






いつかは、別れるって分かってるから。






分かってるんだよ、本当は。






“相手を大切に思うなら深く付き合うな。別れるときに悲しませるだけだ”





ずっと言われ続けてきたこの言葉。






でもね?






好きって気持ちは止められないんだよ……。






だから、こんなにも涙はあふれてくるんだね。






こんなにも苦しいんだ――――――――――。
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