君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「…時間…止まってくれねーかなぁ…?ずっと、離れたくないな…。」







…空斗…、あたしと一緒の事を考えていたんだね…。







空斗は、薬の事、知っているのかな?








どう、思っているのかな?







たくさんの疑問が頭に浮かぶ。







温かい空斗に抱かれているこの時間がたまらなく恋しい。






だから…







海生さん。あたし決めたよ。







あたしは、薬を使ってほしい。






空斗の記憶は無くなちゃうけど、大好きな人の側で一緒にいたい。







離れたくない。いや、離したくない。







笑い合って、話をして、手をつないで、抱き合って。







今、この一刻一刻をあたしの大切なアルバムにしまっていきたい。






あたしの頬に涙がつたう。






「どう…した?」






「あたしの、空斗と離れたくないよ。ずーっと一緒にいて二人で支え合うの。」






空斗はにこっと頬笑み、






「ああ、ずーっと一緒だ。」






と言いながら頭をなでてくれた。







あたしの涙は一向に止まらなかった。







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