君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「おっおい!?どうしたんだよ!?」







「…何も無い!ただのうれし泣きだもん!」







空斗は、不思議そうな顔をしてあたしを見下ろしている。






そしてあたしに向かって手を差し出した。






「よく分かんねーけど、とにかく立ちあがれ。そんな所座っていたらケツ冷えるぞ?」







「馬ー鹿。冷えないもん!!」







あたしは空斗の手を借りて立ちあがった。







空斗があたしを忘れてしまっても、こうやって何も無かったように思いだす。








こんなパターンでもいいからあたしを忘れてほしくない。








でも、限度はあるもので。






永遠って言葉は限りなく無いに近いから。






最後の一時まで、あたしは空斗に思いだしてもらえるように頑張るから――――。







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