君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「なぁ?さっき何でうれし泣きを…?」






「…。お母さん思い出せる?」






「?当たり前だろ?」






え…?今、全部思いだしてる?






「…もしかして、今薬の副作用で、母さんも、蓮も、琴音さえも忘れかけていたのか…?」








あたしは、苦笑いをして、コクんと頷く。








「ねえ、今全部思いだしてるの?」







「あ…あぁ…俺は…何で……。」






「しかたない…。だって記憶が無くなってしまっても、空斗はあたしの側にいてくれるもん。あたし、それだけで…幸せだから…さ?」







「あ…ありがとう。琴音…迷惑かけたよな…ゴメン。」






「あやまらないで?大丈夫。あたしが空斗に忘れられないように、頑張るから!」





あたし達の手は、一生離れない。
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