君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「…琴音?」



あたしの顔が曇った事に気付いたのか、空斗があたしを呼ぶ。




その声で、ハッとした。




「え…?あ、ごめん。ちょっと、考え事してて…」




「ふーん…そっか。」




「蓮。ちょっと俺…琴音に話があるから、2人にしてくれないか?」




「あ?い、良いけど。」




話…?空斗があたしに改まって、話?




あたしの頭にハテナマークが浮かんでいる間に、蓮は病室を出て行った。




「空斗…?話って…?」




そっと聞くと、いきなり抱きしめられた。




「く、空斗!?いきなり、どう…したの?」




わけがわからなくて、あたしの頭はパニック状態。




「嫌?」



う…そう言われるとな~。




「い、嫌じゃないけどっ…」




「だったら、このままでいさせて?」




いつもより、甘えた声の空斗。




その声を聞くと、何も言えなくなる。




「っ…!はい…。」




あたしは、なれない状況にドキドキしっぱなし。




心臓病のあたしにこんなにドキドキさせるなんて、空斗ってある意味悪魔かも。




そう思っているところに、新たな言葉。




「琴音…?好きだよ。」




何だか、空斗がいつもより素直だ。



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