君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
~空斗side~

俺は、いつまで俺でいれんだ?




日に日に、動かなくなっていく体はもうすぐ来る、"限界"を示していた。




母さんや琴音、蓮にいくら励まされたって、俺の体なんだから俺が1番わかってる。



…もう、ダメかなって。




そう思っている矢先、記憶が無くなる薬を使う事を知らされた。




最終手段…だろうな。



やっぱり、もう…すぐなんだ。



谷底に突き落とされたような気分だった。



でも、いつまでもそうしている訳にはいかないからな。





その時がくる前に。



俺は"思い出作り"の準備を始めた。



母さんに頼んで、あるものも用意した。




そして、写真を撮るのも決めた。




あまり写真は好きじゃないけど、方法がねーんだよ。




タイムリミットも迫ってるしな。




俺が死んでも、琴音が淋しくないように。



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