君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
~琴音side~



あーもー!馬鹿馬鹿馬鹿っ!





何やってるのさ、自分!





空斗だよ?





あの、空斗がだよ?





あんな事、いつもなら言わないじゃん。





あんなへたくそな笑顔、見せないじゃん。





あんな悲しそうな顔、しないじゃん。





あたし、誰よりも空斗の事、分かってると思ってた。





思ってたのに…。





何も分かってなかったんだ。





自分の体は自分が一番分かる…。





ねぇ、空斗。分かっちゃったんでしょ?





自分の体がいつ壊れるか。





いつ、限界を迎えるのかを。





だから、ひどく、あたしに現実を見せたんだよね?





全て、空斗の優しさだったんだよね?





ごめんね?気づいてあげられなくて。





ごめん…




ごめんな…さい…。












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