君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「あたし、空斗に…謝るよ。」




蓮と並んで歩きながら、言った。




蓮は、まるであたしがそう言うと分かっていたかのようにフッと笑い、そして頷いた。




「…行ってこいよ。」




「ありがとう、蓮。あたし、行くね。」




そう言って、蓮と別れ空斗の病室に向かう。




扉の前で立ち止まり、深呼吸する。




そして中に入った。




「空斗…」





「琴音?何で…」




病室に入ると、空斗はベットに横になっていた。




「俺ちょっと、発作気味でさ…何か用?」



大きな深呼吸を一つして、あたしは口を開いた。





「ちょっと、話聞いてほしくて…。あの…さっきは…ごめんなさい。」




言えた。




「琴音…。」





「もう、泣かない。現実を受け止めるから。何があっても、ちゃんと頑張るから。だから…もう、あたしのそばから離れないでっ…お願い…。」




「泣かないっていったそばから泣くなよ笑。俺こそごめん。最期まで諦めないよ。」




あたしの頭を空斗がくしゃっと撫でる。




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