君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
えっ…?



今、何て言った?




余命が…三ヶ月?




…空斗が?




あたしの頭の中は、パニックで。




「お母様、琴音ちゃん。急に言われて「はい。分かりました。」って受け入れることは難しいかもしれませんが、三ヶ月という時間を大切にしてください。」




「「はい…。」」




海生さんはボロボロと静かに涙を流していた。




それを見て、あたしは涙を止めた。




駄目だ。泣いちゃ、駄目だ。




この時が来る事は分かっていた。




しっかり、受け止めないと。




あたしがしっかりしないと。




空斗のお陰だね。




あたしがこんなに強くなれたのは。




あたしはこの時決めたんだ。




空斗と別れるその日まで、






涙は見せない、弱みをみせないって…。




その時の空は、嫌がらせかのように真っ青で、太陽が眩しかった。







< 169 / 234 >

この作品をシェア

pagetop