君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
なんで、きづいたの!?




「どどど…どーして?」




「俺、琴音の事見ているとすっげー幸せになれんの。きっとこの気持ちが“好き”って事なんだって思ったんだけど…違う?」





…どーしよー。





でも、こーゆー素直なところ、前と変わってない。





こんな空斗を見ると、全てが変わってしまったんじゃないと感じ、うれしく思った。





それに、空斗はこんな風あたしを想ってくれていたんだ。





あたし達の恋はきっと何度でもやり直せる。




気持ちはずっと、変わらないから。





「そうだよ。あたし達、付き合ってる。」




「やっぱり!?ゴメンな、こんな大切なこと忘れちまって…。でも、俺、もー忘れねーから。」




なんだか、前の空斗に言われている気がする。




「…うん…。」




この時のあたしの笑顔はきっと下手くそで。




「ずっと永遠に一緒に居ような!」




そう言って無邪気に笑う空斗の目を見ることは出来なかった。




それは…出来ないんだよ、空斗。




でも、あたしも同じ気持ちなんだ。




絶対に叶わない願い。




でも、止める事は出来ない想い。




まだまだやりたいこと、一杯あるよ?




デートだってもう一度したい。




楽しい思い出いっぱい作って、笑って、時には泣いて。





それなのに、2人で居られる時間はあと、たったの3カ月で。





残された時間はあまりにも少ない―――――――――――。


















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