君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「いえっ…!どうかしたんですか?」




「いや、別にどうもしないけど…空斗が目を覚ましたって聞いて、急いだんだけど、もう空斗寝ちゃってて…琴音ちゃんにも会いたいな~って。」





…。




あたしに会いたいって言ってくれた…。




それだけだけど、凄く嬉しくて。




やっぱり、この人は空斗と血が繋がってる。




そう思った。




でも、海生さんの話にはまだ、続きがあった。




「っていうのも、確かにあるんだけど…。ねぇ、琴音ちゃん。よく聞いて?空斗の薬の副作用、まだきれてないの。それで、先生がおっしゃったには、空斗は一日の記憶を、寝ると忘れるらしいの。」





「…え?今日、あたしを新しく覚えてくれたのに?」





「ええ…。ごめんなさい、早くいうつもりだったんだけど、仕事が…って、琴音ちゃん!?」




あたしは病室を勢いよく飛び出し、空斗の病室へ向かった。




お願いだから、覚えててよ…。





そして、空斗の病室に飛び込んだ。




「空斗!!」




あたしは、空斗が寝ているのにもかかわらず、ゆすり起こした。





「う…ん?」




空斗の目が開く。




「空斗!あたし、琴音だよ?わかるよね!?今日、覚えてくれたよね?」




「…誰ですか?」




あたしは頭が真っ白になり、その後の記憶はない。




「ちょっ!どうしたんだよ⁉先生!知らない女が倒れました!来てください!!」






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