君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
あたしの頬に涙が伝うのがわかった。




「…ばか。嬉しくて、涙出てきたじゃん。あたしを泣かせないでよ!笑」




「え、俺が悪いの!?えー…と…」





空斗はあたしの頭をポンポンとなでる。




「恋人だから…こんな感じ?」




「…っ!あたしに聞かないでよ…」




あたしの顔は真っ赤に染まる。




「ハハッ!琴音照れてるー!かーわいっ!」




「うるさい!!笑わないでよ…」





「ククッ…ごめんって。」





…そういえば、空斗と会っていない日は何日あったのだろう?





少しでも長く空斗の側にいるつもりだったのに、あたしの馬鹿。





何で倒れちゃったんだろう…




「あ、そうだ!良い事考えた~!」





「いきなり何?」




考え事をしている真っ最中だったので、ちょっとびっくりした。




すると、空斗は急に紙とペンを取り出して、文字を書き始めた。





「出~来たっと!」




言いながら、紙を見せて来る。





そこには、




"安藤 空斗が絶対に忘れてはいけない、大切な人『笹原 琴音』"




と、書いてあった。









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