君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
病室の窓から、朝日が射し込んでいる。




また、朝がきた。




今日も、わりと身体が楽なので空斗の病室に向かう。




コンコンッ




「空斗ー」




扉をノックすると、あたしの大好きな声がかえってくる。




「どうぞ~?」




扉をあけて、中に入る。





すると、空斗は笑顔で迎えてくれた。





「おはよう。えっと…あたしの事、わかる?」





「んーっとなー…」





そう言って、ベッドの横の棚をゴソゴソ探り、一枚の紙を取り出した。




そして、紙に書いてある文字を読み上げる。





「"俺の大切な人『琴音』"だよな?」




空斗がイタズラっぽく笑う。





あたしも、ホッとして微笑んだ。





「正解!!」





ホッとする反面、紙をみないと分からないという現実に押しつぶされてもいた。





ホントはそんな紙見なくても、わかってほしいのに。





でも、他に方法はないから。












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