君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
すると、いきなり…



ピーーーーーーーーーーーーーーー。




え…?空…斗?




「ちょっと!患者からどいてください!!おーい!AEDもってこい!!」




看護婦さんが急いでAEDを持ってき、空斗にそれが取り付けられた。




「1、2、3!!」




ドンッ!!!




――――ピッ ピッ ピッ…




「よかったぁ…」




あたしはへなへなと床に座りこんだ。




「空斗君が目を覚ましましたよ。どうぞ、話かけてあげてください。」




「空斗…。あたしの名前はね…?」



そう言っていつもどうり自己紹介しようとすると…



「知っ…てる…。琴…音…だろ…?俺の…大切なひ…と」




そう言ってニッコリと笑った。




嘘…。




紙、見てないのに…。




記憶はもう、無いはずなのに…。




< 191 / 234 >

この作品をシェア

pagetop