君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
ポン ポン ポン――――――



静かな空間に響きわたるお経の声。




あたしと蓮は前の方の席に座らせてもらった。




海生さんが、




「琴音チャンと、蓮くんは、親戚席に座ってくれないかしら」



とお願いされて。




空斗の遺影をまじまじと見つめる。




空斗はあたしの大好きな八重歯をみせた可愛い笑顔で写っていた。




「ふふっ あの笑顔ね、琴音チャンの話をしていた時にとったものなの。すっごく幸せそうでしょ?」




「…は…い。」




あたしの話をしている空斗はこんな顔をしているんだ…。




そう思うとすっごく嬉しくなった。




――――――――――




お葬式が終了して、あたしはすぐ、空斗の遺体に駆け寄った。




「…ありがとう。あたしは空斗と出会ってなかったらここにはいない。




手紙に書いていたことだけど…、何言ってんの?




いい人が見つかって恋に落ちる?





馬鹿にしないで。




あたし、超一途なんだよ?




空斗を忘れるなんて、一生かかっても無理ですよ!!」




あたしは笑顔で空斗の額にキスをした。
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