君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
何で…?



「琴音!!」



あたしは不思議でたまらなかった。




お母さんがあたしの名前を呼んでいる?




あたしを…抱きしめているの?




あたしの顔の横にお母さんの顔?




かすかにふるえている気がするのは…気のせいかな…?




もしかして、泣いているの?




「お母…さん?いきなりどーしたの?」




「う…うぅ…」




あたしはどう対応したらいいか分からなくなった。




ただただ、固まったまま母に抱きつかれていた。




母の気が落ち着くのを待ち続ける。




「琴音…今までごめんね…?」




何を言ってるの?
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