君と出会ってーー。～あなたがいた頃は～

あたしは、初めて“誕生日を誰かに祝ってもらう”ってことの楽しさを知った。



生まれてから一度も誕生日を祝ってもらったことが無かったから。



“２月２４日があたしの誕生日”



この単語を忘れるぐらいに。



「ありがと！今日、すっごく楽しかったよ！」



「…そりゃよかった！！…あー、空斗もこの場に居たかっただろーな…」



あたし達はすっかり真っ暗になった夜空を見上げた。



「…きっと、空の上から一緒に祝ってくれていたよ…」



「…だな…。」



そういうと、流れ星がヒュンと流れた。



そして、あたしの頭にも、



「誕生日おめでとう、琴音！」



って聞こえた気がした。