君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
―――――――


スーッハーッ…



「やっぱ、屋上の空気は格別にいいね!」



この場所があたしの一番のお気に入りだから。



だから、他の場所よりも気持ちよく感じる。



「よしっ!話しかける順番決めよ!じゃんけんポン!!」



蓮がグー、あたしがチョキを出した。



「よしゃ!!俺からだな!!」



蓮があたしより一歩前に出て空の方を向いた。




「空斗、俺、毎日仕事頑張ってるよ。



お前と琴音が一生懸命応援してくれた小説家という仕事を。



それと同時に誰もが1度は憧れる芸能人もやってる。



空斗が逝っちまって何年たっただろうな。



俺、空斗の事何一つ忘れてないよ。



俺の世界一大切な親友はお前一人だからな。



そして…」



あたしは急に蓮に肩を抱かれた。



「こいつの側にずっといる。



命をかけて幸せにするよ。



空斗、言ってたよな。



“琴音の笑顔が何よりも大好きだ”って。



聞いたときはキザな事言いやがってって思ったけど、今では違う。



俺も琴音の笑顔が大好きだ。



だから、お前のいない分だけ琴音の笑顔を俺が側に居て守り続けるよ。



お前のためだけじゃない。



俺のためにも。」


急に蓮があたしに後ろから抱きついてきた。



「蓮…?」



「琴音大好きだ…。」



そう呟きながら。



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