君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
~琴音side~

蓮、大丈夫かな?



空斗の言うとおり、病気とかじゃ無ければいいけど。



空斗はあたしより心配している様で、病室の外まで覗いていた。



本当に親友なんだと心底思う。



そんなことを考えていると、空斗はあたしの元に戻ってきた。



けど…




「空斗?どうしたの?うかない顔してるよ…?」



空斗はうつむき、無口になっていた。



さっきとは…別人みたいに。



「いや…別に…」



「蓮になにかあったの?」



「いや…」



空斗は急にハッとしたように、笑顔になった。



嘘の笑顔。



なにか秘密にしていることは確かだけど、あたしは触れない事にした。
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