君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「はぁ。あんたの顔なんて、もう二度と見るもんかって思ってたのに。



ここの病院ウザいわね。




しつこくしつこくあんたが大変だとかグダグダと。」




そう言って、入って来たのは40代半ばの女性。




あたしの…母親。




「大変なら、さっさと死んでよ?



別にあんたが死のうが私には痛くもかゆくもないわ。



私はあんたの情報なんてこれっぽっちも必要ないんだけど?」




甲高い声で、まくしたててくる。




「そんなこと…。そんなことを言う為にここに来たの…?」




「は?そんなことって何よ?




何回言ってもわからないから、わざわざ時間潰して来てやったんでしょ?」



この人に何を言っても通じない。




あたしはこの事を3歳のときにはもう、理解していた。




「…。死ねなくてごめんなさい。」




「ホントよ!何で死なないの?




あんたなんか、死ねばいいだけなのに。」




ガラッ!!




扉が壊れそうなほどの勢いで開いた。




そこには、怒り狂った表情の空斗がいた。
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