君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
「だから?私にどうしろって言うの?私だって、何も考えてない訳じゃない。でも、あの子を見てると、憎いのよ。憎くて、憎くて仕方ないの。そして、気付いたら殴ってた。快感だったわ。」




「何で…何でだよ。どうしてそんなに実の娘が憎いんだよ?そんな気持ちなら、もう二度と琴音と関わるんじゃねぇ。
さっさと帰れ。」




もう、この人には何言っても無駄だ。




そう思った。




「言われなくても帰るわよ。それにあの子とはもう関わらないわ。」




そう言って、帰っていった。




琴音の母親が帰ると、俺はすぐに琴音の病室に戻った。



すると、琴音はベッドでは無く、床に座りこんでいた。




「琴音…?ベッドに戻んないと、悪化…するぞ?」




そう言って、手を伸ばすとその手が振り払われた。




「へ?」



「…って」




「ん?」




「自分の病室戻って。あたしに触らないで!!この…裏切り者!!!!!」




「こと…ね?何言って…?」




「あたしはどうせ、いらない子だよ。誰にも、必要とされてない。安心して?もうすぐ死ぬから。」




何言ってんだ、琴音?



全然意味がわからない…






< 96 / 234 >

この作品をシェア

pagetop