君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
~琴音side~

意味わかんない。何で…何で…。




やっぱり、あたしの生きてる意味なんて、何処にも無いんだ。




がむしゃらに、走る。




行き先は…屋上。




また、あたしは人に裏切られた。




あたしが、勝手に"空斗とずっと一緒"
だって、思い込んでたんだ。




そう。一人で勝手に。




「アハッアハハ。あたしってホント馬鹿。」




1人でつぶやいてみる。




何で…空斗はあたしに優しくしてくれたの?




何で…ずっとそばにいてくれたの?




それはあたしに同情してたから?




あたしが、可哀想に見えたから?




この言葉の通りだ。



友情や愛情なんてものは、簡単に崩れる。



結びつきが弱いければ、弱いほど…。




信じれば信じるほど、裏切られた時のショックは大きい。




その言葉の意味が、痛いほどわかった。




屋上へ向かう階段の角を曲がると、人にぶつかった。




「あ、すみません…。」




顔をあげると、ぶつかったのは見覚えのある顔。





蓮だった。




「琴音…!?どうした?何で…泣いてるんだ?」




「れ…ん…」




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