君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~
2人で屋上にあがった。




そして、今までのいきさつを話した。




「蓮…もう、嫌だよ?あたし、空斗なんて…キ…ライ。」




ぽろぽろ涙を流しながら、話すあたしを見て、蓮はこう言った。




「琴音。よく聞け?
お前、空斗のことが大好きなんだろ?本当は。大好きだから悩むんだろ?大好きだから、裏切られて悲しいんだろ?悔しいんだろ?離れたく…ないから悲しいんだろ?自分の弱さが許せないのは、空斗との絆…守りたいものがあるからだろ?守りたいものを守りきれなかったことが悔しいんだろ?そんな事、全部"キライ"って簡単な言葉で片付けちゃ、ダメだ。」




「蓮…」




そっか。




キライって思い込んでても、本当は、大好きなんだよね。




空斗との絆…




守りたかった。




でも、出来なかった。




「琴音…俺は、空斗がそんな事いうのは何か理由があると思う。ちょっと、確かめてくるから。」





蓮は、走っていった。










< 98 / 234 >

この作品をシェア

pagetop