桜井家の日常
今日から学校
3年生
「斗真早くー」
「置いていっちゃうよ?」
私と苺花は玄関で靴を履きながら
二階にいる斗真に呼び掛けた
「まってよー」
斗真は慌ただしく降りてきた
今日から最後の高校生活が始まる
3年生という先輩の居ない生活に
不安と期待があった
私達3人は桜並木を歩く
小中高とどこに通うのも
この道を通ってきた
この道を皆で通れるのは
後どのくらいだろう?
私はそんなことを考えながら
歩いていた
「優羽~急がないと遅刻するから
走るよ~」
斗真は私の手をひっぱる
「はいはい、苺花もいくよー」
私はそう言うと走り出した
「待ってよ」
苺花と斗真も私を追いかけるように
走り出した