槍水仙
太陽の存在―過去―
【澄】
忘れもしない、あの瞬間。
真っ暗闇のなかに、太陽を見つけた。
キラキラ光り輝いている、太陽の存在を・・・
3年前・・・
「だいぶ仕事に慣れてきたわね、澄!」
「はい!夕陽さんにはまだほど遠いですけど」
「そんなあたしなんて・・・。そう、でね?あなたにお願いがあるの」
「・・・?」
「実は・・・・・・・」
夕陽さんから聞いたのは、毎週土曜日、司馬家へお茶と和菓子を届けていること。
そのお届けをしていた方が病に倒れ、復帰は不可能。
なので、慣れてきた、という私をその方の代わりに派遣しようということ。
「わ、私が・・・あの司馬家へ?無理ですっ、そんな・・・」
不安でならない・・・
しかも、これは1人で行かなければならない・・・
夕陽さんがいたら、大丈夫なんだけど・・・