曖昧メール
入学式も無事に終わり一度ホールに戻された。
高校からの担任たちであろう六人の先生がホールに入ってくれば、自然とあたし達は並べられていた椅子に腰をかける。
「今から、クラス発表をします。この紙を全員に配るから、受け取ったら自分の名前を探して一つ上の階の教室に行ってください。その後の指示は担任の先生からうけてねー。」
オレンジ色の大きめな紙が全員にくばられ、240人の中から自分のクラスを探す。
「あった。」
誰にも聞こえないような小さな声でついつぶやいてしまった。
案外すんなりと見つかった自分の名前。
私のクラスは「四年一組」
先生の指示通り一つ上の階の自分の教室に向かった。
「あ、刹那!?」
「あ、真夏」
「同じクラスじゃん!!」
「うん。真夏が居て良かった、」
「可愛いこと言ってくれるなぁ!もう」
四年一組につけば担任の指示で出席番号順に座れ、とのこと。
自分の席を見つけ座れば、中学の頃からの見知った顔ばかりで安心したことはしたのだが、
「話せる男子ほとんどいない…」
「あたしも、だよ」
同時に後ろの席の彩と言う子とそんな会話をすることにもなったのだ。
何気なくホールで配られたオレンジ色の名簿を見直し、そして思った事がある。
それは、
あたしのクラス、パッとしない!
というなんともくだらない事
学年の中で目立つ子というのは大抵存在すると思う。
もちろん真夏もその中の一人だし、他にも学年の中で中心部に居る子は何人か居るのだが、何故だかパッとしないのだ。
おそらくそれぞれのキャラが濃すぎたのだと思う。
ほら、絵の具だってそう何色も混ぜたら黒色にしかならないように。
若干の不安を抱えたままスタートすることになった高校生活一日目だった。
「明日には委員会とかきめるんでね、ちょっと考えといてくださいよ、皆さん」
それから担任の先生はなんだかホワホワとした中年男性だったりした。
とりあえずいい人であることは間違いないようだったのだが、やっぱり不安に感じてしまった一瞬だった。
なぜって?だって少しばかりこの先生の喋り方おかまの人っぽかったんだもん。