何度でも何度でも…
意地っ張りで強情で強がりでさびしがり屋で、泣き虫の

けれどだからこそ大切なヒト

はっきりとした物言いをするし、見た目結構美人だから強さを持っているように見えるけれど、それはただの強がりで背伸びで、本当は誰よりも傷つきやすい

人を頼るのが苦手でつらくても独り静かに肩を震わせている

過去ゆえに笑顔の裏にはいつも居場所を求める寂しさとけれど気づかれまいとする強がりがあって

本当に不器用な奴

出逢ったころはいっぱしの医者になろうと躍起になっていた

放っておくとずっと医学書と向き合っていて自分のことなんて少しも顧みなかった

早く一人前になりたいんですーそう言った彼女の瞳は強さとともに悲しい光があった

両親の死から背負った罪悪感が彼女の強さとひたむきさを危ないものにさせていたから

誰よりも傷つきやすくて、誤解されがちな彼女を知った時にずっとそばにいたいと、そばにいてほしいと思った

そして自分が守っていきたいとも

初めは医者としての彼女を守っていきたいと思っていただけだったのかもしれない

それが彼女自身を守っていきたいと思い始めたのはいつからだったろう

きっと、あの澄んだ瞳が変わらずに自分に向けられたとき


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