何度でも何度でも…
「人の想いなんていつ変わるかわからない、ずっと付き合い始めの想いを持つことは難しいのかもしれない。もっと幸せな恋があるのかもしれない。…でも、それでも私はこれからも海斗を想うんです」

頼っていいと教えてくれたのはあなただから

欲しいぬくもりを安らぎを、愛しさをくれるのもあなただから

頼りになって優しくて、一人でいろいろ背負おうとする、それでも笑っているあなたの支えになりたいから

少しでも私がその背にかかる重圧や痛みやつらさを分かち合えるのなら

それであなたがいつもよりちょっと心の底から笑えるのなら

それが私の望みだから

「私の恋はきっと海斗で終わりだけど、でも私は、何度だって海斗に恋をするんです」

ふわりと笑うしるふの笑顔には、穏やかさが溢れている

彼の一つ一つのしぐさや気遣いや言葉に

何度だって恋に落ちるんだ

「うらやましいですね、そこまで誰かを想えることも、誰かに想ってもらうことも」

しるふの言葉に、白鳥はふと優しく寂しげに微笑んだ

「私は白鳥さんが思ってるほど強い女じゃないですよ。いっぱい泣くし、わめくし、八つ当たりだってするし、やきもちだって焼きます。でも、きっとそれを見せれるのは海斗だけなんです」




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