何度でも何度でも…
「次遅刻したら時間ちょうどに来るのやめるからな」

すくっと腰かけていた噴水の外淵から立ち上がり、数段の階段を降りつつ海斗はつぶやいた

その声は少し不機嫌で、きっとしるふにしか見せない声

「ね、逆ナンでもされた？今日はやけに不機嫌じゃん」

後ろから海斗の腕をつかみつつ、しるふは海斗を見上げる

「さーねー。どっかの誰かさんが遅刻なんてしなければ、朝から変な体力使うこともなかったのに」

そっぽを向いてぼそっとつぶやく海斗の言葉は遠回しに逆ナンされたといっている

海斗は付き合い始めたころより雰囲気が優しくなったためか、最近？よく逆ナンされる

当初から人目を引いてはいたが、勇気を出して声をかけようとする勇者まではいなかったようだ

きっとみんなそのあとに海斗にはねつけられるのが見えているからで、傷つくのが怖かったのだろう

海斗を怖いと思ったことのないしるふはそれが不思議でならない

話してみると怖くなんてないし、むしろ頭の回転が速いだけに話しやすい

いいにくいことも読み取ってくれる

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