何度でも何度でも…
「ね!海斗!!これかわいくない?」

「いいんじゃない」


昼下がりの休日

場所は大きなデパート

BGMは家族連れやカップルの話声

そして、ひっきりなしになっている迷子を知らせるアナウンス

その中に、彼らの姿はあった

こう何年も付き合っていると、人混みが苦手な海斗を休日に連れ出すのもお手のもの

海斗が面倒くさそうな顔をしながらもこうして隣に居てくれるのもお決まり

文字通り付き合ってくれている、海斗のテンションが低いのも

もう慣れた

それが通常運転だと思えば、特に気にならない

「真剣に考えてる?」

「もちろん。今日のコンセプトは、古くなってきた日用品を心機一転させよう、だろ」

「わかってるなら、まずここにしゃがむ」

ほら

としるふが自分の隣を差し示す

「そこまで目悪くないし」

と見下ろしてくる海斗を見上げるこっちが疲れるというのに

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