何度でも何度でも…
「で、海斗、聞いてる?」

余りの反応の薄さに思わず海斗の横顔を見つめる

「聞いてるって、遊園地行ったことないから行きたいって話だろ?」

「そ、水族館とかさ遊園地とか定番じゃん?なのに行ったことないし、行ってみたいなーって」

「この年で?」

「なーによ、どんな年になろうとも心は若いままだからいいのー」

「幼いの間違いじゃないのか」

「かーいーとー」

怒るよ

と瞳を細めたしるふに海斗が笑う

その反応を予期していたように

「ホント、海斗って女心わかってない。てかさ、付き合う前に行っても何の不思議もないと思うんだけど、水族館とかって」

数年前、研修医だったころに海斗とどこに行ったかって

病院、病院、病院…時々食事

そんでもってさらに時々博物館とか

ああ、なんて哀しい片思い時代

「思うんだけど」

文字通りふらふらと歩きながら海斗がおもむろに口を開く

ふと交差するブラウンの瞳と漆黒の瞳
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