何度でも何度でも…
当の海斗は、答えたことに満足したのか食事を開始する

やっぱり日常茶飯事

対応に慣れているし、その気にも留めていないしぐさ

さすがと言えよう

「そうですか」

落胆の色を隠しもせずに去っていく看護師たちの背を見送るのはしるふだけ

同情の瞳は、隣の海斗に移る

「海斗さ、もう少しこうオブラートに包む言い方って出来ないの」

それか、そうね。ごめんね、先約済みで。みたいな一言を添えるとか

「必要のないことは口にしない主義なんで」

さくりと揚げたてのフライがいい音を立てる

「必要あることよ。新入社員はこれからの黒崎病院を担っていくのよ。その人たちと良好な関係を築けなくてどうするの」

「俺にとっての良好な関係は、仕事上で不便なく付き合っていける関係」

無理に親睦を深めるつもりはない

ましてやお近づきになりたいと隠しもせずによってくる新入社員と

「本当、海斗って女の敵」

とか言いつつ、黒崎病院内部情報によると海斗はなんだかんだで一番人気なんだそうな

あの医院長や塔矢、佐藤などを差し置いてこのわかりにくい男の何がいいのか

看護師、飯田理沙曰く



< 135 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop